2015-01-19

堀川すなお 解釈と行為 seeing and practicingを見に行った


  • 堀川すなお 「解釈と行為」 江之子島文化芸術創造センター を見に行った
  • 堀川さんは、バナナやライターを注視して、見える図像を絵に落としこむ作業をしていた
  • 結果として、我々が通常イメージするバナナとはかなり異なる異形な絵ができる
  • 展示では、最初↑のしかたで絵をかいていた堀川さんが、最終的に、人から聞いたバナナを解説した文字情報だけをもとに絵を書くことと、自分があるバナナをみてまずそれを文字に落とし込み、次はバナナをみずに文字だけをみて、図像に落としこむという手法に変わってきたことが、順をおって説明されていた
  • ここで思ったのは、「バナナを記述した文章をもとに、それだけをもとに絵をかくといっても、もともと頭の中にあるバナナのイメージを、完全にわすれて、本当に文字情報だけに基づいて絵をかけるのかどうか」
  • でもある程度は、文字で書いてあることに忠実に、書こうとしたらかけるのではないかと思った
  • あと、別にバナナのイメージが頭に有ってしまっても、特にそれを誰かに禁じられているわけではないのだから、実際にできていなくてもなんの問題もない
  • バナナを文字に落としんだとして、それをもとに絵をかいたら、元通り写真のようなバナナの絵ができると思いきや、異形なものになってしまうという一連のプロセスを見せることで、
  • 君は、目の前のものを理解して(文字に落としこんで)いるはずだけれど、実際、この絵になるような仕方で理解できていないのでは?
  • また、理解したものを文字で表現するとはどういうことか?文字にした時に削ぎ落とされてしまうものはなにか?などに思いを馳せることになる。
  • あと、いつもあるけど、あなたとわたしのバナナのイメージがちがうことを、文字&絵で表すことができると思うが、それは違っても、別に会話できるから問題ない(むかしから思っているとおり、言語の意味は社会的に形成される(言葉の意味は頭のなかに描いているイメージ図ではない。もしくはコミュニケーションで相手に伝える言葉の意味はそれを用いるときに頭のなかに描くイメージとは切り離せる)ので、だいたいおんなじ文化で過ごしていたら、コミュニケーションとる文脈のなかで、バナナをお互いが大きく取り違えたまま、すすむことは、ほぼない。もしあったとしても、それはやりとりの中で、ちょっとずれてるな、とか相手はこういう意味で用いているな、とかいう微修正がかかっていく。大きくずれたまま進んだ場合、どこかで会話のつじつまがあわなくなり、お互いにどういう意味で言ってますか?という大きな修正が入ることになる。
  • 今この人とは、バナナをこういうくくりで用いよう、という、お互いのぼんやり理解のなかで、微修正しつつコミュニケーションが流れていく状態をデイビドソンは「当座の理論」の構築と呼んだ、と私は理解しているが、英語を喋れないどうし、米国人と英語しゃべれない日本人が英語で話すとき、日本人同士で日本語で話すとき、、、と程度の差はあれども同じことをやっているはず。
  • デイビドソンの極論は、○○語は存在しなく、常にコミュニケーションをとる同士の「当座の理論」があるだけというものだが、
  • 日本語といわれている言語の境界線はどこで引けるか?ということに思いを馳せると、デイビドソン論もそこまで突飛ではないのかもしれない、と思っている。
  • 堀川さんが、自分で対象を見つづけて描くと、限界がくる。(どこまでやればいいのかわからない。終わりが来ない。これ以上、面白いものはでてこないかもしれないけど、出てくるかもしれないから、終わりがきまんない)が、他人が対象を文字で記述したもの、自分が対象を文字で記述したものをもとに描くと、(たぶん手順書にもとづいて図面を描くような形で、明確に終わりがある)から、描ける。といっていたのが興味深かった
  • つまり、堀川さんが、「自分が絵を描くための手法」を明確に定めて、その手法に基づくとこういうことができるはず、の仮説からものを生み出してみて、OKなら進む、だめならまた考えなおし、みたいな仮説検証を行っていること
  • あと、打ち上げに参加し、堀川さんの師匠の法貴さんが、モノ自体のもつ力、と説明する文章自体の凄さの件、言っていたが、
  • どちらも確度・精度・練度がすごかったら与える力は同程度のものになる。手段が違うだけで、目的はおなじだから…という理解をした
  • ものをつくっていて、評価の土俵にのってもの作ることができることも大切だが、それだけではつまんなくて、でも明らかにカウンター的な意思表明も、相手の土俵をいしきしちゃってて結局おもしろくない。やりたいのは、自分がこれだと思うものをただ作って、なんかすごいから今までの評価軸にないかもしんないけど評価されるような状態。
  • なかなか、ふつうではそう思えない。性格か、意志の力がないと。
  • http://www.enokojima-art.jp/event/20150110_horikawa/
  • https://www.evernote.com/shard/s17/sh/1e9cd386-2fc5-408b-8690-60f6cdc2c850/a74fe1ea03a5299626b13c3334f1ef06