就活では尊敬できるコンサルタントに出会った 「会社は上下左右 様々なしがらみが渦巻いている」と言っていた それを極力排するため コンサルファームにもかかわらず成果主義を採用してなかった 「会社は給料500円違うだけでも文句がでてくる」そんなことに煩わされたくない それより仕事したい
凄いと思った そのひと個人もそうだし 組織としても
「会社はしがらみの固まり 足の引っ張り合い 給料少しでも違うと文句」 全く同じことを また他の尊敬できる人が言っていたので 忘れないようにしないといけない つまりそんなこといちいち気にしてたら 自分の仕事はできない やりたいことには辿り着けない やりたいことをやるのが人生
鉄鋼某社をずっと受けていた 一時期は一番入りたいと思っていた しかしその少し前は この会社はよくないなと思っていた
技術力という現状の基盤に依存している グローバリゼーションへの戦略的対応はぜんぜんなし 「最高の技術でいいモノを作れば売れる」と考えている? いわゆる「日本的」な企業じゃないのかな と感じた
高付加価値製品 中国インドとかが作れない自動車用の鋼板など つまり単価高い製品 に大きくシフトすることで史上最高益をだしている それ自体は結果として最高益なわけだが でもいわゆる「日本的」だと思う
つまり グローバル戦略なし いままで欧米に自前の生産拠点を作ってこなかった だから提携してたアルセロールがミタルに乗っ取られてしまうと 技術流出せざるを得ない だったらアルセロールと提携しないで欧米に展開しとけばよかったはずだ 設備投資自分でしなくても ブラジル・インド・欧米企業へのM&Aを前々からやっとけばよかったはずだ
国内でいいモノ作って利益出しとけばとりあえず海外行かなくてもOK みたいな深層心理? 依然海外比率は3割程度
前社長はこれまでの経営から決別する宣言をした 初代社長は稲山嘉寛というが 株価や時価総額ということに極度に無関心であったそうだ 87年のブラックマンデー以後 金融中心で世界はまわるようになった そして現在 鉄鋼業界では 稲山が嫌った市場の原理によって 欧州の名門メーカーがインドの成り上がりに呑み込まれてしまった
発行数の多すぎる株式 後手後手の買収戦略 垣根のなくなった市場を長年にわたって無視 こうした姿勢でだめになっていくのは当然なのだ
それとは違って 凄い製造業もある そうした企業のひとつとして 早くから凄いと感じていた会社に入社を決めた 自分なりに勉強して やりたいことができそうだと思った とてもいいと思っていた
それなのに結果として そちらの鉄鋼にのめり込んでいたと思う 理由は 何回も社員に会うこと なぜウチにきたのか ウチで何をしたいのか を厳しく問いつめられたことだ
回を重ねるごとに質問は厳しくなる それを全てロジカルに説き伏せることが求められた 一見ざっくばらんな会話をしているふうを装いながら どんな方向から攻めても一貫性のある 説得力のある主張を続けられるか を僕の想像以上に冷静に見ていた(その内容が嘘かどうかは問題ではない と思う) とても厳しかった
だから社員を何度もねじ伏せる過程で 他ではなくそこにきた理由・やりたいこと が自分の身に刷り込まれ 自然とそれしか自分にはないように考え始めた のめりこみ 冷静さを失い 視野が狭くなっていたと感じる
15人以上会い 合計20時間は話した 最終段階に自分がきていることが分かると のめりこみの度合いは激しくなった 学生も企業を選ぶ権利があるといわれるが 僕のように普通の就活をしようとしている人間は 最後は結局選ばれる立場にしかなれない だから選ばれたい 選ばれるためにどうする? という気持ちが最後の最後にでてきていたと思う 少なくともきちんとしていた頃の自分は無かった
切羽詰まった状況で 冷静でいることは難しい これしかないんだ という思い込みから抜け出して物事に接するのは難しい ということを実感した もしそのままその鉄鋼会社 もしくは鉄鋼プラントエンジに入社していたら 本当にクリティカルに実感することはなかったかもしれない
エンジは 事業内容 事務屋として追求できる仕事は最高にエキサイティングだけど もしかしたら組織は東大族中心で依然として官僚的な体質だったかもしれない 何人もの凄い社員に出会わなかったら 逆に「人に魅かれて選びました」という動機が最大の動機なのはおかしい ということが分からなかったかもしれない
今後 自分がいろんなことを判断したり 行動したりする時に いつも振り返って ちょっとまてよ と自分に言えるようないい経験ができたと思う とても勉強になった
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